NAロードスター 爪折り作業
H6年式ユーノスロードスター[M2-1028]
リヤクオーターの爪折りでご入庫されました。
M2-1028は限定販売された希少モデル。
しかもこのM2-1028はコンディションが大変良く
綺麗な車両なので責任重大です。
“M2-1028”事は一旦置いて、爪折り作業に移ります。
リヤクオーターの内側はこの様になっています。
内側に折り込んでいる部分を通称“爪”と呼んでいる部分です。
普段なかなか掃除しないので砂汚れが堆積します。
折り込む部分を綺麗に掃除しておきます。
リヤフラップを外します。
なんだコレ?って思う方もいると思いますが、M2専用のパーツで現在生産終了
していて入手困難な貴重なパーツですよ。
純正の塗装を割らないように慎重に作業を進めていきます。
ボディーカラーのブルーブラックはM2-1001と1028に設定。
故に爪折り失敗したらタッチペンなんか無いのでドキドキの作業です。
お客様からの要望通りにベタ折り出来ました。
勿論、塗膜も無事ですよ。
爪折りしたら養生します。
なぜだと思います?
ジャーン!
爪折りした部分をコーキングします。
こちらも今回ご要望がありました~。
折り込んで袋状になった部分をコーキングして
泥などが堆積しないようにします。
こんな感じに仕上がりました。
左右とも完璧な仕上がりです。
これで、車高やホイールの選択の幅が広がります。
では“M2-1028”って何? の件ですが簡単にご紹介します。
M2は1991年から95年まで存在したマツダの子会社です。
そのM2が販売したのが“M2-1001”と“M2-1002”そして“M2-1028”
の3種類のM2ロードスター(各限定300台)でそれぞれ内容は違うので
好みが分かれますが最も人気が高いのは、この1028ではないでしょうか。
M2シリーズはそれぞれ特別なパーツのオンパレード!
ダックテール形状のアルミ製トランクリッドは1028のみの装備。
軽量ハードトップも1028専用でリヤスクリーンはポリカーボネード製。
幌が無い・・・。
そうなんです。この1028は幌の装備が無い唯一のユーノスロードスターです。
10点式のアルミ製ロールケージも1028専用でハードトップの固定方法も特別。
簡易幌が装備されているので急な雨でも・・・無理だな(笑) 天気予報の確認必須です。
幌無しで軽量ハードトップに10点式ロールケージを標準装備って事は・・・
勿のロンでエンジンやっちゃってますよ。ピストン・カム・エキマニ・コンピュータ
・ボアアップしているし吹け上りが気持ちいいメーカーチューンのエンジンです。
専用コーションプレートが誇らし~。
メーカーチューンの証ですね。
車内で先ず目を引くのがエスケレート製の1028専用バケットシート、
パワーウィンドは無く手巻きのノブ、
奥に見えるドアミラーはヴィタローニ製セブリングと豪華です。
純正センターコンソールも無くシンプルなシフト回りはスパルタンな仕上がり。
センターパネルもM2専用の形状。
M2のロゴが煌めくホーンボタン。
これは知らなかったので驚きでした~。勉強不足だ~。
助手席のドアにはM2シリーズの証のシリアルナンバー付のコーションプレート。
専用カラーのブルーブラックは一見黒に見えますが
光の加減や角度で濃い紺色に見える渋い演出でメーカーの本気のこだわりが感じられます。
牽引フックも標準装備! ユーノスエンブレムは有りません。
ご紹介した装備が新車から着いているなんて、エアロと色の塗替えでどうだっていう
現代の車ではでは考えられないですよね~。
大変希少で特別なM2-1028の作業を当店にご依頼頂いた事に本当に感謝いたします。
宿題となっているリヤフラップも現在検討していますのでしばらくお待ち下さい。
岐阜県のS様 ありがとうございました。