FRP製のエアロの破損って修理出来るの?
H13年式 ロードスター(ネロ君)
ローダウンしてエアロを巻いたロードスターはカッコイイ!
そのカッコ良さを維持する為には気を遣うのも事実。
段差や駐車場の車止めには特に注意が必要・・・でも時々やってしまう・・・。
今回は真っ二つになったフロントスポイラー修理をしていきます。
時々ご質問がある
「FRP製のエアロの破損って修理出来るの?」
にお応えしますね。
基本的にはFRP製のエアロは修理可能です。
但し修理の仕方でその後の耐久性や見た目にも大きな差が出ます。
勿論、粉々に粉砕したり潰れたりした物は修理不可の場合が多いです。
FRPはガラス繊維を樹脂で固めた物なので割れるとギザギザにささくれます。
ささくれが残っている状態では接合が困難なので、
割れた断面のささくれ部分を削り落とします。
断面の塗装が綺麗に残っている場合は
画像左部分の白い所を削ります。
右側は塗装の下、下層部分を削ります。
画像の様に断面の塗装が綺麗に残っている場合は
塗装面を合わせながらズレが無いようにアルミテープで
しっかり固定します。
断面塗膜が合わない場合の多くはささくれが残っていて邪魔をしているので
何度か合わせ確認と研磨を繰り返します。
この時の注意として表面は絶対に傷付けない事、
ズレて使い物にならなくなります。
表面を固定したら裏側を確認。
多くの方がこの状態でFRPをを貼って補修しますが
それは間違いです。
FRPエアロの多くはランダムに編まれたガラス繊維のマットを
2~3枚重ねて樹脂で固めてます。その為割れると立体的かつランダムに
亀裂が生じます。積層された樹脂の層に空気の層が幾重にも広がります。
そこで幹部とその周辺をベルトサンダーで削り落としていきます。
空気の入った部分はパイ生地のように剥がれ落ちます。
パッと見では見えない部分も削っていきます。
削り終えたらようやくFRPマットを貼っていきます。
空気が残らぬように丁寧に貼りましょう。
乾燥したらアルミテープを剥がして
裏側と同じように研磨していきます。
目安としては画像のように薄く残る破損部分のヒビ割れの
跡が完全に消えるまで削ります。
表面はFRPマットを2枚~3枚積層して周囲よりも
高くしっかり盛ります。
乾燥後はある程度研磨して鈑金屋さんへGO!します。
FRPを盛ったまま持っていくと嫌がられるので
僕はここまで努力したよ!ってアピールしながら
ここから先はプロのあなたの技術にお願いするしかない!
って下から崇めるようにすると快く仕事をしてくれます。
塗装完成後はとにかく仕上がりを褒めちぎりましょう!
鈑金屋の職人さんも人間です。
次回の仕事も気持ち良く受けて頂ければ、その分仕上がりも良くなります。
FRPの破損部分は積層された細かな繊維が周囲の樹脂を破壊し
空気の層を形成します。その空気の層を除去しないと
修理後に塗装面に細かなヒビ割れが生じる原因になります。
何度表面を修理りても塗装がヒビ割れするってご相談も時々受けますが
適切に修理すれば大体のエアロは長持ちする修理は可能なんです。
「沼地に直に基礎工事しても家は建たない。」って事です。
すっかり元のイケメンに戻りました。
FRP部品が破損した場合は欠片も持ち帰る事が重要です。
修理出来る事は修理した方がお財布にも環境にも良いですよ。
春日井市のI様 ありがとうございました。