ロードスター・クーペ全塗装 ⑥ 塗装前の下処理Ⅱ
塗装工程の続きです。
何やらボディーがマッドなグレーになっていますよね。
これはサフェーサー通称“サフ”です。
このサフは塗装を定着させる下地塗料ですが
それ以外でもボディーの凹凸が分かり易くなるので
穴埋めをした周囲の確認も出来ます。
色が違っている個所はそんな凹凸を再度補修した部分です。
補修の必要の無かった部分もサンドペーパーで表面を研磨します。
この研磨によって元の塗装面に細かなキズを付けていきます。
これは新しく塗った塗料が定着し易くする為です。
この作業も塗装する箇所全体に行う為、今回のような全塗装となると
車両全体に及ぶ為、手間と時間がかかります。
車体がある程度終了したので、エアロ部分に作業が移ります。
当社もFRP素材のエアロを制作する身として耳が痛いですが
このFRPって素材はどうしても作業の難易度を上げてしまう
事になるので塗装屋泣かせと言えます。
このような表面の小さな凹凸に加え各パーツの隙間も純正部品と異なり
バラバラなので全てに補修が必要となるから大変です。
先ずはFRP部品の全体の“チリ合わせ”です。
各部品の取付位置の確認と全体のバランスを調整しながら
各隙間の確認をして調整します。
あまりに酷い時はFRPを盛ったり削ったりもします。
取付位置の確認が終わったら分解して、各部品ごとに補修
し下地処理をおこないます。
まだ初歩段階ですが片方のフェンダーだけでも
細部にいたるまで手が加えれているのがおわかり頂けると思います。
FRP部品は制作段階の硬化する時に高温を発生させます。
その自熱により反ったり、縮んだり、時にはヒビ割れを起こすので
細かな確認と補修が必要となります。
フェンダー下のグレーの部分はチッピング塗装です。
走行中の小石などからボディーを保護する為の特殊な塗装がされています。
当然社外品でもあるFRP素材のフェンダーには皆無なので
ドアパネルとの整合性を保つためにチッピング塗装を施します。
ただ塗膜の凹凸を再現するのには高い技術を要します。
ボンネットもFRP素材で、1番目立つところでもあるので
他の部分以上にに手間を掛け滑らかな表面に仕上げます。
勿論裏側もですよ。
ボンネットはこのまま裏側に本塗装をしていきます。
純正のトランクパネルも裏側から塗装していきます。
ボンネット裏の塗装が完了です。
裏側の骨と表面の合わせ面もしっかり下処理をおこなったので
綺麗な仕上がりになっています。
トランクパネル裏側も仕上がりました。
いよいよボディー塗装に移ります。
この時にはフェンダーの内側にも色が入っていました。
ここから数日塗装工場には来れないので次に来る時には
綺麗な赤色になっている事でしょう。
今日はここまでです。ありがとうございました。